基礎法学・隣接科目

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■基礎法学・隣接科目
授業科目名 講義等の内容
地域と法  市民から期待される法曹にとって必要なことは、法が現実の社会(地域社会)でどのように働いているかを適切に理解していることである。言い換えると、法は社会規範のひとつであり、法の働きを理解するには、法が存在するその時代のその社会(地域社会)との関係において捉えることが必要である。そして、そのことは、各法分野の基本的な専門知識と法の応用能力を修得していく上でも重要である。このことを踏まえ、基礎法学・隣接科目群に位置付けられているこの科目は、3年間の法科大学院での教育・学修にとってその基礎となる問題意識と法的思考力を身に付けることを目的としている。具体的には、地域社会(山陰地域)で生じている様々な法的問題を取り上げオムニバス方式で講義するとともに、それらの法的問題に関するフィールド・ワーク(実地授業)を地域社会で行うことを通して、自らの問題意識を形成し、より具体的な問題状況を掘り起こし、その解決に向けての法的思考と法的アプローチを以って対処する基礎的な力を修得することがこの授業の目的である。
法理学  近代以降、理念としては国家・社会の構成員は自由・平等な個人であり、神や国王といった彼らに社会生活の規律を命じる超越的な上位者はいない。従って、自由・平等を維持していくためには各人の同意によって規律(=法)を制定する以外にない。また、規律への違反があったか否かの判定、違反があった場合に不利益を課すための強制力も当然必要になる。そこには目的としての自由・平等(人権)保障、保障手段としての統治機構という発想がある。(これは、近代市民国家が思想的背景にしている社会契約論の論理である)
 この規律の遵守・違犯の判定や不利益の強制は本人の意に反しても実行されなければならないので物理力の独占を物質的背景(警察や軍隊といった国家装置)として用意している。ところが、不幸にして歴史はこの物理力の濫用の歴史でもある。従って、このチェックも考えておく必要がある。(この論理は、近代立憲主義を思想的背景にしている)
 近代人やこの枠組みにまだいる我々現代人はパラドックスに陥ってはいないのか?お互いの人権が尊重されるよう国家を形成し、その維持のために規律をつくりながら、その規律を実行する物理力によって逆に人権が侵害され社会生活の平穏が妨げられというパラドックスに。人権を守るために人権を侵害する国家をわざわざ形成するとは!!憲法学でのフレーズを用いれば、人権は国家によって実現してもらう「価値」なのか、あるいは国家を縛る「枠」なのかという問題である。この問題を中心に以下の三本柱で考えていきたい。
 1.対立軸としての人権 2.立憲主義とデモクラシー 3.分割の人権原理と統合の人権原理
法史学  19世紀後半から20世紀初頭の欧米での法の変化(発展)を背景に、日本近代法から現代法の歴史を概観し、日本における近・現代代法の特質を理解する。主に、憲法・民法・刑法史を軸に講義を進めていきたい。現行法との関わりを念頭に置いて講義を行うことで、現代日本法の特質を抽出し、その問題点を客観的かつ根本的に考えるための基礎的な批判能力を養うのを目的としている。授業では、具体的な史料の解読を通じて、法システム・社会システムの全体的構造と問題点、個別法律問題との関連を理解できるように配慮したい。
英米法  日本の法制度は大陸法系に分類されるが、大陸法系とあわせて二大法系をなすのが英米法系である。英米法系の国々では、イギリス法を基に各国で独自に発展させた法を採用しており、これらの法を総じて英米法と呼ぶが、その影響は様々なところに及んでいる。なかでもアメリカの法制度は日本法にも影響を及ぼしているし、国際取引の分野などではアメリカ法のルールが取り入れられることもある。したがって、英米法についてある程度理解しておくことが、法実務において役に立つことは大いにあり得るといってよい。
 そこでこの講義では、英米法系の法制度の概要および特徴(コモン・ロー、判例法主義)を学んでいただいたうえで、アメリカ法について、とくに成立の歴史とその特徴、陪審制度をはじめとする司法制度、さらに憲法や民事法の基礎について、最近の判例や法改正の動向などから学んでいただくこととしたい。
EU法 未定
パブリック・
マネジメント
本講義では、行政経営ないし地域経営の有力な担い手としての法律実務家に求められるパブリック・マネジメント(公共部門の経営)の基礎という観点から、公共部門の経営に関わる事項を概説するとともに、現実の諸問題とその対処方法について検討する。授業は講義を中心に映像資料等を併用しつつ進めるが、大規模な変革が避けられない地域の公共部門における現実の課題についての考察を重視し、今日的なテーマに関する各自の調査等に基づくレポート提出を複数回課す予定。
金融経済論Ⅰ

金融経済、とりわけ金融事象と金融機関金融市場と金融政策に関する基本的な知識の習得を目指す。また、それを通じて、現在日本が直面している様々な金融問題を自力で分析・考察できる応用力を養成する。授業は講義形式で進める。日本の金融システムの全体像を理解する必要から、テキストを用い、それの解説と論評が中心となる。ただし、テキストに記載されていない最新の金融問題も取り上げ、解説と論評を行う。

金融経済論Ⅱ 前期「金融経済論I」に続き、金融経済、とりわけ金融市場と金融政策に関する基本的な知識の習得を目指す。また、それを通じて、現在日本が直面している様々な金融問題を自力で分析・考察できる応用力を養成する。授業は講義形式で進める。日本の金融システムの全体像を理解する必要から、テキストを用い、それの解説と論評が中心となる。ただし、テキストに記載されていない最新の金融問題も取り上げ、解説と論評を行う。