2015年度 夢実現進学チャレンジセミナーを開催しました

2015年8月10日

                                        検察官役として刑事模擬裁判に関わって 
                                                                三宅 孝之(刑事法担当)

 県内高校2年生を対象とした学習セミナー「夢実現進学チャレンジセミナー」として、今回は刑事模擬裁判が設定された。
 この刑事模擬裁判に関わった島根弁護士会の若手弁護士によって、シナリオ作成、キャスティング(役振り分け)など、準備いただいた。また、弁護士の中で、裁判長、被告人、証人兼(法廷)事務官を振り分け、そして30名弱の生徒さんには、裁判員、弁護人、検察官に分かれて着席いただいた。そんななか、法科大学院側からは、私が検察官(単独)を引き受けることになった。
 法科大学院の法廷は裁判員裁判を想定したもので「法廷教室」といわれているが、学部で時々活用されているが、法科大学院では久々の「開廷」となった。
 事案は、キャリア女性の離婚がらみで夫婦間トラブルの中で、不幸にして発生した夫による妻(被害者)殺人の、殺人罪での起訴事件であった(妻の持ち出した包丁での妻の腹部刺創での出血性ショック死)。
 私は、授業では事案の事実を基礎として総合的な分析、法的判断・適用をすることを心掛けるように指導しているが、今回は、シナリオ(ストーリー)があるとはいえ、起訴事実について有罪をいかに導くかに腐心した。シナリオにメリハリをつけ、生徒さんの「心」に「真実」を掴んでもらおうと、被告人尋問で妻(被害者)の右手(右利き)の肘(ひじ)から手先にかけての傷、上部であるはずの刺創(現実には左下腹部)に重点をおいて質した。
 何度かシナリオを読み込み迫真性(リアリティ)を出そうと最重点を置こうとした場面だったのだ。検察官(役)は、殺人罪での20年の懲役を求刑した。
 生徒さん(実は裁判員)は5グループで別室に分かれ、各グループに配置されたアドバイザー(弁護士1名、法科大学院教員1名の計2名)の示唆もうけ、判決を出していただいた。
 生徒さんは、各グループの裁判員裁判で、有罪グループ2、無罪グループ3の判決にわかれた。人が人を裁くこと、証拠や証言から真実を発見することの難しさを学んでくれたのではないかと思う。
 今回の模擬裁判を通じて、法曹、裁判員裁判への関心が深められ、また将来の進路、職業選択に影響が及んでくれることに期待を寄せている。
 

 
写真:夢チャレンジの様子